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2020年01月20日

「ひょうご宅建プレス」に、不動産売買契約における解約手付の記事が掲載されました

 一般社団法人 兵庫県宅地建物取引業協会の広報誌である「ひょうご宅建プレス」の2020年1月号に、「解約手付による不動産売買契約の解除と履行の着手」というタイトルで記事を書きましたので、最後にリンクを張っておきます。
 手付に関する宅建業法の規制、宅建業者が自ら売主となる不動産の売買契約における手付による契約の解除についての裁判例などをまとめています。

 「ひょうご宅建プレス」(2020年1月号)「解約手付による不動産売買契約の解除と履行の着手」

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posted by 上田孝治 at 14:58 | TrackBack(0) | 不動産・宅建コラム

2020年01月15日

遺言書に印鑑が押されていなかったので、勝手に印鑑を押してみたら・・・

 自筆証書遺言には、その効力が認められるための厳格な要件が定められており、その要件の一つに印鑑が押してあることがあります。ですので、押印のない自筆証書遺言は要件を欠いて無効になります。遺言が無効ということになれば、遺言に書いてある内容とは関係なく、法定相続に従った相続が行われることになります。つまり、印鑑がないだけで、遺言を作った意味はなかったとうことになるのです。
 では、遺言者が自筆証書遺言に印鑑を押さないまま亡くなった場合に、その遺言を見つけた相続人の一人が、慌てて亡くなった方の印鑑を使って遺言書に印鑑を押した場合、どういうことになるのでしょうか。
 まず、大前提として、いくら本人の印鑑であったとしても、遺言を作成した本人が押印していないわけですので、(そのような不正が発覚するかどうかはさておき)この遺言は無効です。したがって、後でいくら印鑑を押したところで、遺言に従った遺産の分配はされないことになります。
 もっとも、これだけでは終わりません。次の段階として、勝手に印鑑を押した相続人が「相続欠格者」となるのではないかという問題が出てきます。「相続欠格」というのは、遺言書の偽造・変造・破棄・隠匿などをしてしまった者が、相続人から外されてしまうという制度です。つまり、相続欠格者は、法定相続に従った相続もできないことになりますので、およそ何ももらえないということになってしまいます。
 この点、遺言に勝手に印鑑を押すという行為は、確かに遺言書の偽造や変造にあたり、「相続欠格」となってしまいそうな気がしますが、最高裁昭和56年4月3日判決で、遺言の方式を整えて遺言者の意思を実現させるための行為であり、遺言に対する不当な干渉とは言えないなどとして、勝手に印鑑を押しても相続欠格者にはあたらないと判断されたケースがあります(なお、しつこいようですが、相続欠格にはあたらなくても、遺言としては無効です。)。
 とはいえ、ケースバイケースの判断となりますので、遺言書に勝手に印鑑を押すことが絶対に相続欠格にならない、とまでは言い切れませんので、相続欠格になって何も相続できないという悲惨な結果にならないためにも、勝手に印鑑を押すような行為は避けるのが賢明です。
posted by 上田孝治 at 11:40 | TrackBack(0) | 相続・家族コラム

2020年01月10日

令和元年度 賃貸不動産経営管理士試験の合格発表

 2020年1月10日に、賃貸不動産経営管理士試験の合格発表がありました。細かい試験結果の統計は最後にリンクを張っておきます。

 合格点は29点で、合格率(対受験者数)は36.8%(ちなみに、2018年度の合格率は50.7%)でした。受験者数は、前年度比で27.7%増えているにもかかわらず、合格者数が7.3%減っていますので、当然、合格率は大きく下がる結果となりました。
 受験者数が増える一方で合格者数が絞られるというのは、資格自体が世の中に徐々に浸透し、信用を得ていく過程ではやむを得ないと思いますし、来年度以降も、この傾向は続くのではないかと思います。
 合格された皆様、おめでとうございます。残念ながら不合格となってしまった方は、しばらく休んで、来年度の合格を目指して頑張って下さい。

 令和元年度 賃貸不動産経営管理士試験 結果統計
posted by 上田孝治 at 10:35 | TrackBack(0) | 不動産・宅建コラム

2020年01月07日

親子の縁を切ることはできるのか

 市役所などの市民法律相談において、「子どもがどうしようもないので、親子の縁を切りたい」という親側からの相談がときどきあります。
 親が子どもと「縁を切る」ということの具体的な意味として、@法律上の親子関係を解消したい、A子どもに相続させたくない、の2つに分けて考えてみます。
 まず、@の法律上の親子関係の解消については(特別養子縁組をする場合を除いて)できません。実の親子にあっては、夫婦の場合の離婚や、養親子関係における離縁のような制度がないからです。
 もっとも、成人した子どもが何か不祥事をした場合に、親が、親であるという理由だけで連帯して法的な責任を負う制度はありません。結局、子どもが成人していれば、法律上の親子関係があったとしても、第三者との関係では親の責任の有無に影響はありません。ただし、法律上の親子間には扶養義務がありますので、具体的な扶養の程度や内容はケースバイケースとはいえ、親族内部においては親であることにより一定の義務が発生することがあります。
 次に、A子どもに相続させないことは法律上可能です。具体的には、法定相続人になる予定の人(いわゆる推定相続人)に、虐待や侮辱などの著しい非行があった場合に、家庭裁判所に請求して相続人としての資格を剥奪する「廃除」という制度があります。ですので、親が子どもを所定の手続によって「廃除」できれば、子どもに相続させないことができますが、子どもに子ども(つまり孫)がいる場合は、孫が子どもの代わりに相続してしまうことになります(これを代襲相続と言います)ので注意しましょう。
 なお、「廃除」の手続をしなくても、遺言の中で「何も相続させない」と書くことはできますが、それだけだと子どもに遺留分がありますので、遺言では完全に相続させない方法としては不十分です。
 ということで、実の親子である以上は、法律上、完全に縁を切ることはできません。もちろん、事実上、子どもと連絡をとらないことで俗にいう絶縁をすることはできますが、そうしていても、法律上は死ぬまで親子関係が続くことになります。
posted by 上田孝治 at 22:11 | TrackBack(0) | 相続・家族コラム

2019年12月09日

民泊と住宅宿泊事業法のポイント

いわゆる民泊とは何か、民泊規制に至った経緯、住宅宿泊事業法(民泊規制法)の概要と旅館業法や旅行業法との関係などについてのポイントを解説しています。

民泊の基礎知識と住宅宿泊事業法(2019年10月).pdf 

【目次】
第1 はじめに
1 民泊とは
2 民泊に関するトラブルの例

第2 民泊規制に至る背景
1 民泊の需要とトラブル
2 民泊規制前の状況
3 住宅宿泊事業法(平成29年6月成立、平成30年6月15日施行)

第3 旅館業法の枠組み
1 旅館業(対価としての宿泊料+宿泊させる+営業) ⇒許可
2 「宿泊させる」の2条件(旅館業か、不動産賃貸業か)

第4 住宅宿泊事業法
1 住宅宿泊事業法の規制対象事業者
2 住宅宿泊事業者
3 住宅宿泊管理業者
4 住宅宿泊仲介業者


2019年12月04日

2019年度宅建試験の合格発表がありました!

 2019年12月4日に、2019年度(令和元年度)の宅建試験の合格発表がありました。それによれば、合格点は35点以上で、合格者は昨年度から4121人増え、合格率は昨年より1.4ポイント高い17.0%だったとのことです。
 事前の合格ライン予想では36点という予想が多かったのですが、36点にすると合格者が少なすぎるということで、35点を合格点にして、少し多めに合格させたんだろうと思います。自己採点で35点だった受験生の皆様、試験後もハラハラしていたと思いますが、おめでとうございます。
 ここ数年の合格点の上昇傾向に少し歯止めがかかったとは言え、7割の正答をしないと合格できず、しかも、人気資格だけあって、受験生のレベルは年々上がっているように思います。
 宅建試験は、いわゆる「賢い」人でなくても、勉強の仕方や時間のかけ方によっては合格できる試験ではありますが、最近の状況を見ていると、「誰でも」頑張れば合格できるという試験ではなくなってきているように思います。
 2020年度の宅建試験は、民法の大改正をふまえた出題になりますので、権利関係のうちの民法(通常10問出題)について、過去問をそのまま解くのはむしろ有害になりますし、改正前の民法の内容を知っている方は、「どっちが改正法だったっけ・・・」と混乱することになります。もちろん、弁護士業務上は、旧法も改正法も両方知っておかないといけないので、私個人としては、旧法を忘却の彼方に押しやることもできず、改正法を教える側も大変です・・・。
 何はともあれ、本年度受験された受験生の皆様は、本当にお疲れ様でした。合格された方は、ぜひ資格を有効に活用していただき、残念ながら来年度も受験しないといけない方は、しばらくは冬眠して、春の目覚めに備えてください。
posted by 上田孝治 at 16:30 | TrackBack(0) | 不動産・宅建コラム

2019年11月19日

令和元年度 賃貸不動産経営管理士試験が終わりました

 2019年11月17日に、令和元年度の賃貸不動産経営管理士試験が行われ、私も、業務上の必要性半分、趣味半分で受験してきました。
 試験内容としては、民法の賃貸借、賃貸住宅管理業者登録制度を中心として、設備、税務なども範囲に含まれますが、令和元年度の問題を解いてみた感想を列挙すると…
@問題文自体は短くて単純な文章が多いが、逆に言えば、漠然としているので正誤判断が難しいものがある
Aいわゆる個数問題が多い
B民法の賃貸借については、思いのほか細かい知識が問われている(^_^;)
C設備は、マンション管理士試験などと比べると非常に簡単
D簡単な問題と難しい問題の開きが大きい
といった感じで、やはり宅建試験などと比べると、試験として未成熟な感じがしました。
 この試験には公式テキストがあり、そこから出題されるのですが、この公式テキストは辞書みたいなもので、とても通読できる代物ではありません。したがって、受験生は、市販のテキストや問題集を使うことになりますが、いろいろな市販のテキストに目を通した感じでは、内容的に明らかな間違い(誤記・誤植ではない中身に関する間違い)があるものが非常に多く(例えば、「遺言の検認をしないと遺言は無効になる」とか、サブリース方式の転貸借契約において賃貸不動産経営管理士が転借人に重要事項説明などをしなければならない、とか…)、公式テキストにあまり記載がないものを載せているテキストもあるなど、テキストを作成する側も未成熟な印象です。
 ちなみに、私の自己採点の結果は40問中37点(4問免除含む)でした(^_^)v
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posted by 上田孝治 at 17:38 | TrackBack(0) | 不動産・宅建コラム