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2019年11月18日

お笑いコンビ・ミキの京都市PRツイートにステマ疑惑(2019年10月31日のニュース)

 「@niftyニュース」によれば、吉本興業は、所属するお笑いコンビ・ミキが京都市についてツイートしたことが、いわゆるステルスマーケティング(ステマ)と報じられた件について、「ステマには当たらないものと考えております」との見解を報告した、とのことです。

 そもそも、ステマというのは密かに宣伝広告を行うことであり、芸能人等の影響力を持つ人が、事業者から報酬などをもらっていることを示さずに行うパターンや、事業者の関係者が一消費者のフリをして、いわゆる口コミ評価において商品やサービスを高く評価するパターンなどがあります。
 ステマに関する法的な規制として景品表示法の優良誤認や有利誤認がありますが、これはステマ特有の規制をしているわけではありません。消費者庁によれば、『商品・サービスを提供する事業者が、顧客を誘引する手段として、口コミサイトに口コミ情報を自ら掲載し、又は第三者に依頼して掲載させ、当該「口コミ」情報が、当該事業者の商品・サービスの内容又は取引条件について、実際のもの又は競争事業者に係るものよりも著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認されるものである場合には、景品表示法上の不当表示として問題となる。』とされています。
 景品表示法の規制は、@商品やサービスの内容や取引条件について、実際のものよりも著しくいいものと見せかけていることが必要であること、A景品表示法の不当表示の責任を負うのは、あくまでも「自分の」供給する商品やサービスの取引についての不当表示に限られることがポイントになりますので、ステマの本質である「宣伝広告ではないフリをしつつ実際には宣伝広告を行っていること」そのものを規制するものではありません。
 したがって、ショップが自作自演でレビューを偽装するようなケースでは、実質的には広告であるにもかかわらず、客観的な評価を装うものであり、購入者に対して誤った印象を与えることになりますので、商品やサービスの内容や取引条件について、実際のものよりも著しくよいものと見せかけていれば、景品表示法の不当表示(優良誤認又は有利誤認)にあたる可能性があり、仮に不当表示ということになれば、ショップが、今後同様の違反行為を行わないことなどを内容とする「措置命令」の対象となります。他方で、今回のニュースのようなケースでは、芸能人自体が景品表示法に違反するということにはなりません。
 景品表示法に基づく規制はこのようになっていますが、有名人の方は、望むと望まないとにかかわらず、ステマに利用される危険性が常にあります。利用される危険性があるという意味では、反社会的勢力との接触も同じ問題があります。したがって、有名人の方が所属する会社が事前あるいは事後に適切に対応することはもちろんですが、ご本人も会社任せにするのではなく、常日頃から注意しておかないといけない問題であると思います。
posted by 上田孝治 at 00:00 | TrackBack(0) | 世の中のニュースを徹底分析

2019年11月17日

チケット不正転売禁止法のポイント

チケットの不正転売に罰則を科すチケット不正転売禁止法の概要、不正転売とは何か、消費者が気をつけるべき点などについてのポイントを解説しています。

チケット不正転売禁止法(2019年6月).pdf

【目次】
1 チケット不正転売禁止法の制定に至るまで
 ⑴ 制定の経緯
 ⑵ 制定の背景
   ア.ダフ屋行為と各都道府県の「迷惑防止条例」
   イ.チケット転売と「古物営業法」
   ウ.チケット転売と「刑法犯」
2 チケット不正転売禁止法の内容
 ⑴ 罪になる行為(@不正転売とA不正仕入)
 ⑵ 「特定興行入場券」とは?
 ⑶ 「不正転売」とは?
 ⑷ 国外で行われた行為の処罰
 ⑸ 興行主等の努力義務
3 消費者が気をつけるべきポイント
 ⑴ 転売チケットを手に入れても・・・
 ⑵ 急用等でチケットを転売したい・・・
posted by 上田孝治 at 21:04 | TrackBack(0) | 法律のポイント解説

アイドルグループ「嵐」の公演チケットを高額転売したチケット不正転売禁止法違反の容疑で、女を書類送検(2019年10月24日のニュース)

「時事ドットコムニュース」によれば、送検容疑は、転売目的でインターネット上に定価を超える販売価格を載せ、チケット4席分(定価計3万2000円分)を計42万3000円で転売した疑いで、女は、元々の購入者の身分証明書を偽造し、入場時に提示させたとのことで、チケット不正転売禁止法違反の適用は全国初とのことです。

 チケット不正転売禁止法違反の事例が世の中に山ほどある中で、2019年6月施行の同法がようやく適用になったという印象です。しかし、この書類送検された件は、十数倍という異常な高額の転売であり、身分証明書の偽造までしているという極度の悪質性があったことから適用されたという印象ですので、チケット不正転売禁止法による不正転売の撲滅への道は険しいなというのが率直な感想です。
 そもそも、チケット不正転売禁止法違反の要件は、定価を超える販売であればよく、十数倍もの高額である必要はありませんし、身分証明書の偽造も要件ではありませんので、極度の悪質性などなくても、粛々と適用すべきと思います。
 もっとも、チケット不正転売禁止法の不正転売の要件には、「業として行う」というものがあり、実際に適用する際にこの要件が言い逃れされやすく、速やかに改正が必要であると思います。チケット転売サイトを覗いてみると、「急な仕事」などの言い訳(=業ではない)をしつつ、定価の数倍で転売しているケースが山ほどあります。急な用事ができたので、持っているチケットを自分では使えず転売しないといけないケースがあるとしても、定価(および妥当な実費)で転売できれば十分なわけで、高額転売まで許す理由はないと思います。
 また、日本国外において、外国人が不正転売や不正仕入をする場合が同法の処罰の対象外となっていることも大きな抜け穴になっていると思います。
posted by 上田孝治 at 00:00 | TrackBack(0) | 世の中のニュースを徹底分析

2019年11月01日

実務に役立つサイトを紹介します(不動産・宅建編)

宅地建物取引業者検索  ≪国土交通省≫
不動産取引価格情報検索 ≪国土交通省≫
宅地建物取引業法の改正について ≪国土交通省≫(宅建業法の平成28年改正に関する資料がまとめられています)
賃貸住宅標準契約書について ≪国土交通省≫(民法改正や近年の家賃債務保証業者を利用した契約の増加等を踏まえて、「家賃債務保証業者型」や「極度額の記載欄」を設けた「連帯保証人型」の平成30年3月改定版賃貸住宅標準契約書に関する資料がまとめられています)
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について ≪国土交通省≫(民間賃貸住宅における退去時の原状回復の費用負担のガイドライン(平成23年8月再改訂版)の内容がまとめられています。)

実務に役立つサイトを紹介します〔消費者被害編〕

「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について(平成28年6月30日制定) ≪消費者庁≫(健康食品の広告その他の表示について、どのようなものが虚偽誇大表示等として問題となるおそれがあるかについて、具体的な表示例や違反事例等をまとめています)
「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」(平成28年4月1日改定) ≪消費者庁≫
特定商取引法ガイド ≪消費者庁≫(特定商取引法の概要、行政処分事例、法改正情報などをまとめています)
消費者契約法 ≪消費者庁≫(消費者契約法の逐条解説、改正に関する情報などをまとめています)
東京都消費者被害救済委員会の事業実績(紛争処理) ≪東京都≫(あっせんや調停の対象となった各案件の概要と報告書がまとめられています)