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2020年04月01日

新型コロナウイルスとマンション管理組合の通常総会の開催

 新型コロナウイルスの感染拡大により、新年度になって、マンション管理組合の通常総会をどうするか、悩まれている方も多いと思います。
 この点について、「公益財団法人マンション管理センター」のホームページに「新型コロナウイルス感染拡大における通常総会開催に関するQ&A」が出ていますので、リンクを張っておきます。
 詳細は直接ご覧いただくとして、以下に、Q&Aの要点だけをまとめておきましたので、ご参考にしてください。

1.組合員に対し、総会会場に来場することなく、議決権行使書又は委任状により、議決権を行使してもらうことを、通知又は個別連絡により勧める。
2.そもそも、通常総会を開催せずに決議を行う方法として、@区分所有者全員の承諾がある場合の書面又は電磁的方法による決議、A決議すべき事項について、区分所有者全員の書面又は電磁的方法による合意のいずれかの方法がある。
3.管理規約に通常総会の開催を延期して行う規定がない管理組合であっても、緊急時の対応として、やむを得ず期間を超えて総会を延期せざるを得ないと判断する場合には、理事会で通常総会の開催を延期することを決議する方法が考えられる。
 なお、開催の延期が区分所有法違反になるかについては、区分所有法では、管理者又は理事が、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならないとされ、集会において毎年1回一定の時期にその事務に関する報告をしなければならないとされているところ、法務省から「今般の新型コロナウイルス感染症に関連し、区分所有法上の集会の開催をすることができない状況が生じた場合には、その状況が解消された後、本年中に集会を招集し、集会において必要な報告をすれば足りる」との見解が示されている。
posted by 上田孝治 at 17:04 | TrackBack(0) | 不動産・宅建コラム

2020年02月12日

2020年4月から、不動産賃貸借契約における連帯保証人の極度額をいくらにすればよいか?

 2020年4月から、いよいよ改正民法がスタートします。改正の中には、個人根保証において極度額(要するに、「保証人の責任は〇万円まで」という上限)を定めていない場合、個人根保証契約を無効とする(つまり、保証人として責任を負わなくてよい)という規定があります。
 不動産賃貸借契約で言えば、これまでは特に上限を定めない形で、賃借人の身内や知人などの個人が連帯保証人となり、賃料の滞納などがあった場合には、保証人に支払をしてもらうということが当たり前でした。しかしながら、2020年4月以降は、賃貸借契約においてこれまでのような上限の定めのない個人の連帯保証では保証契約として無効となりますので、保証人がいないのと同じことになってしまいます。
 そこで、保証契約において極度額を定めるとして、具体的にどのくらいの額にすればよいのかは非常に悩ましいところです。この点に関して、一般社団法人全国賃貸不動産管理業協会(全宅管理)が、会員を対象としたアンケート調査を実施し、その調査結果が公表されました。これによると、賃料5万円と仮定した場合、30万円以下が16%、30万円超〜60万円以下が25%、60万円超〜120万円以下が30%、120万円超〜180万円以下が4%、180万円超が5%で、多くの会員が「賃料の2年分である120万円」もしくは「賃料の1年分である60万円」と回答したとのことです。ただ、中には、「借主が火災保険に無加入である場合は、万一の損害に備えてある程度の金額は必要」という理由で、2000万円という回答もあったようです。
 というわけで、アンケートの結果からは、賃料の2年分までが相場ということになりそうですので、実務的にはこのような流れになると思います。もっとも、民法上は、極度額を定めればいいとされているだけで、金額的にいくらまででなければならないという制限は明記されていません。となると、「大は小を兼ねる」で、とにかく高めに極度額を設定しておけばいいのではないかと思われる方もいるかもしれませんが、あまりにも極度額が高額過ぎる(この線引き自体がまた難しいのですが・・・)ということになると、極度額の定め自体が公序良俗違反などで効力が否定されることになり、結局、保証契約が無効になってしまうリスクがあります。
 なお、改正民法は、基本的に2020年4月以降の契約に適用がありますので、逆に言えば、2020年3月以前の契約については改正前の民法のルールに従うことになります。悩ましいのは、2020年3月以前の賃貸借契約が4月以降に更新された場合ですが、保証契約について「合意による更新」があった場合は、新たな契約と評価して改正民法に従うことになり、自動更新の場合は、新たな契約とは評価できずに、改正前民法に従うことになるのではないかと思います。
posted by 上田孝治 at 22:20 | TrackBack(0) | 不動産・宅建コラム

2020年01月20日

「ひょうご宅建プレス」に、不動産売買契約における解約手付の記事が掲載されました

 一般社団法人 兵庫県宅地建物取引業協会の広報誌である「ひょうご宅建プレス」の2020年1月号に、「解約手付による不動産売買契約の解除と履行の着手」というタイトルで記事を書きましたので、最後にリンクを張っておきます。
 手付に関する宅建業法の規制、宅建業者が自ら売主となる不動産の売買契約における手付による契約の解除についての裁判例などをまとめています。

 「ひょうご宅建プレス」(2020年1月号)「解約手付による不動産売買契約の解除と履行の着手」

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posted by 上田孝治 at 14:58 | TrackBack(0) | 不動産・宅建コラム

2020年01月10日

令和元年度 賃貸不動産経営管理士試験の合格発表

 2020年1月10日に、賃貸不動産経営管理士試験の合格発表がありました。細かい試験結果の統計は最後にリンクを張っておきます。

 合格点は29点で、合格率(対受験者数)は36.8%(ちなみに、2018年度の合格率は50.7%)でした。受験者数は、前年度比で27.7%増えているにもかかわらず、合格者数が7.3%減っていますので、当然、合格率は大きく下がる結果となりました。
 受験者数が増える一方で合格者数が絞られるというのは、資格自体が世の中に徐々に浸透し、信用を得ていく過程ではやむを得ないと思いますし、来年度以降も、この傾向は続くのではないかと思います。
 合格された皆様、おめでとうございます。残念ながら不合格となってしまった方は、しばらく休んで、来年度の合格を目指して頑張って下さい。

 令和元年度 賃貸不動産経営管理士試験 結果統計
posted by 上田孝治 at 10:35 | TrackBack(0) | 不動産・宅建コラム

2019年12月04日

2019年度宅建試験の合格発表がありました!

 2019年12月4日に、2019年度(令和元年度)の宅建試験の合格発表がありました。それによれば、合格点は35点以上で、合格者は昨年度から4121人増え、合格率は昨年より1.4ポイント高い17.0%だったとのことです。
 事前の合格ライン予想では36点という予想が多かったのですが、36点にすると合格者が少なすぎるということで、35点を合格点にして、少し多めに合格させたんだろうと思います。自己採点で35点だった受験生の皆様、試験後もハラハラしていたと思いますが、おめでとうございます。
 ここ数年の合格点の上昇傾向に少し歯止めがかかったとは言え、7割の正答をしないと合格できず、しかも、人気資格だけあって、受験生のレベルは年々上がっているように思います。
 宅建試験は、いわゆる「賢い」人でなくても、勉強の仕方や時間のかけ方によっては合格できる試験ではありますが、最近の状況を見ていると、「誰でも」頑張れば合格できるという試験ではなくなってきているように思います。
 2020年度の宅建試験は、民法の大改正をふまえた出題になりますので、権利関係のうちの民法(通常10問出題)について、過去問をそのまま解くのはむしろ有害になりますし、改正前の民法の内容を知っている方は、「どっちが改正法だったっけ・・・」と混乱することになります。もちろん、弁護士業務上は、旧法も改正法も両方知っておかないといけないので、私個人としては、旧法を忘却の彼方に押しやることもできず、改正法を教える側も大変です・・・。
 何はともあれ、本年度受験された受験生の皆様は、本当にお疲れ様でした。合格された方は、ぜひ資格を有効に活用していただき、残念ながら来年度も受験しないといけない方は、しばらくは冬眠して、春の目覚めに備えてください。
posted by 上田孝治 at 16:30 | TrackBack(0) | 不動産・宅建コラム

2019年11月19日

令和元年度 賃貸不動産経営管理士試験が終わりました

 2019年11月17日に、令和元年度の賃貸不動産経営管理士試験が行われ、私も、業務上の必要性半分、趣味半分で受験してきました。
 試験内容としては、民法の賃貸借、賃貸住宅管理業者登録制度を中心として、設備、税務なども範囲に含まれますが、令和元年度の問題を解いてみた感想を列挙すると…
@問題文自体は短くて単純な文章が多いが、逆に言えば、漠然としているので正誤判断が難しいものがある
Aいわゆる個数問題が多い
B民法の賃貸借については、思いのほか細かい知識が問われている(^_^;)
C設備は、マンション管理士試験などと比べると非常に簡単
D簡単な問題と難しい問題の開きが大きい
といった感じで、やはり宅建試験などと比べると、試験として未成熟な感じがしました。
 この試験には公式テキストがあり、そこから出題されるのですが、この公式テキストは辞書みたいなもので、とても通読できる代物ではありません。したがって、受験生は、市販のテキストや問題集を使うことになりますが、いろいろな市販のテキストに目を通した感じでは、内容的に明らかな間違い(誤記・誤植ではない中身に関する間違い)があるものが非常に多く(例えば、「遺言の検認をしないと遺言は無効になる」とか、サブリース方式の転貸借契約において賃貸不動産経営管理士が転借人に重要事項説明などをしなければならない、とか…)、公式テキストにあまり記載がないものを載せているテキストもあるなど、テキストを作成する側も未成熟な印象です。
 ちなみに、私の自己採点の結果は40問中37点(4問免除含む)でした(^_^)v
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posted by 上田孝治 at 17:38 | TrackBack(0) | 不動産・宅建コラム