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2020年08月15日

《宅建試験対策24》遺留分に関する民法改正

 遺留分(いりゅうぶん)は、法定相続人のうち、配偶者・子・直系尊属のみに認められた、最低限度の相続分の取り分のことになります。最低限度の取り分ですので、相続における力関係を図示すると以下のようになります。
     遺留分 > 遺言・生前贈与 > 法定相続
 遺留分を侵害された配偶者・子・直系尊属が、実際に遺留分権を行使して取り分を確保するかどうかは各自の自由ですが、行使することを、改正前は、「遺留分減殺請求」(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)と呼んでいました。そして、遺留分権者が遺留分減殺請求を行うと、請求の対象となった不動産のような相続財産は共有となりますので、例えば、遺留分を侵害するような不動産の遺贈や贈与があれば、遺留分権者(配偶者・子・直系尊属)と、遺贈や贈与で手に入れた人(受遺者や受贈者)との共有不動産になってしまいます。しかし、遺留分減殺請求によって不動産が共有状態になれば、その後の不動産の処分などが非常に面倒なことになるなど、デメリットが多くありました。
 そこで、改正法は、遺留分が侵害された場合には、侵害額に相当する「金銭」の支払いを請求することができる、つまり、「金銭債権」として扱うことになりました。したがって、遺留分を侵害する遺贈や贈与の対象が不動産であったとしても、遺留分の請求によって不動産自体が共有になるわけではなく、侵害された分に相当する額の金銭である「○○万円を支払え」という内容の権利になります。このような遺留分に関する請求の金銭債権化に合わせて、用語としても、「遺留分減殺請求」ではなく、「遺留分侵害額請求」という言葉に変わっています。


遺留分・表.PNG
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