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2020年02月06日

高校生が自転車で死亡事故を起こし、約9000万円の賠償命令(2020年2月6日のニュース)

 ライブドアニュース(共同通信)によれば、高知市で2015年、当時高校生の男性が自転車で警察官に衝突し死亡させた事故を巡り、遺族が男性に損害賠償を求めた訴訟の判決で高知地裁が約9400万円の支払いを命じた、とのことです。

 高校生が、何か悪いことをやって誰かに危害を加えた場合、被害者(被害者が亡くなった場合はその遺族)は、その高校生に対して、不法行為を根拠として損害賠償請求をすることができます。もっとも、被害額がある程度大きくなる場合には、いくら高校生に損害賠償義務があると言ったところで、実際上、支払が困難ということになります(なお、加害者側が、個人賠償責任保険などの保険に加入していればそこから支払われるケースもあります。)。
 こういった場合、被害者の損害賠償請求を実のあるものにするために、比較的資力のある「高校生の親」に責任を負わせることが考えられます。
 この点、その高校生が日常的に悪いことを行っていた(いわゆる素行不良)にもかかわらず、親が漫然と放置した結果、案の定、危害が加えられたような場合は、親自身の損害賠償責任が認められる可能性があります。
 では、親が、素行不良の子どもを漫然と放置していたというような事情がない場合はどうなるかというと、民法には監督義務者の責任の規定があります。これは、未成年者が「責任能力を欠く」と評価できる場合、未成年者本人は損害賠償責任を負わない代わりに、特別の事情がない限り、監督義務者(通常は親)が肩代わり的な責任を負うというものです。そして、実務上、未成年者が責任能力を欠いているかどうかについては、おおむね12〜13歳以上であれば責任能力ありとされています。
 以上をアバウトにまとめると、小学生くらいまでの子どもが何か悪いことをすれば、子ども本人は責任を負わない代わりに、親が、原則として損害賠償責任を負うのに対して、中学生以上が何か悪いことをしても、親が漫然と放置していたような事情がない限り、親は損害賠償責任を負わないということになります。
posted by 上田孝治 at 23:33 | TrackBack(0) | 世の中のニュースを徹底分析
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