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2020年08月15日

《宅建試験対策24》遺留分に関する民法改正

 遺留分(いりゅうぶん)は、法定相続人のうち、配偶者・子・直系尊属のみに認められた、最低限度の相続分の取り分のことになります。最低限度の取り分ですので、相続における力関係を図示すると以下のようになります。
     遺留分 > 遺言・生前贈与 > 法定相続
 遺留分を侵害された配偶者・子・直系尊属が、実際に遺留分権を行使して取り分を確保するかどうかは各自の自由ですが、行使することを、改正前は、「遺留分減殺請求」(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)と呼んでいました。そして、遺留分権者が遺留分減殺請求を行うと、請求の対象となった不動産のような相続財産は共有となりますので、例えば、遺留分を侵害するような不動産の遺贈や贈与があれば、遺留分権者(配偶者・子・直系尊属)と、遺贈や贈与で手に入れた人(受遺者や受贈者)との共有不動産になってしまいます。しかし、遺留分減殺請求によって不動産が共有状態になれば、その後の不動産の処分などが非常に面倒なことになるなど、デメリットが多くありました。
 そこで、改正法は、遺留分が侵害された場合には、侵害額に相当する「金銭」の支払いを請求することができる、つまり、「金銭債権」として扱うことになりました。したがって、遺留分を侵害する遺贈や贈与の対象が不動産であったとしても、遺留分の請求によって不動産自体が共有になるわけではなく、侵害された分に相当する額の金銭である「○○万円を支払え」という内容の権利になります。このような遺留分に関する請求の金銭債権化に合わせて、用語としても、「遺留分減殺請求」ではなく、「遺留分侵害額請求」という言葉に変わっています。


遺留分・表.PNG

2020年08月14日

《事業者一般向け》新型コロナウイルス対応のためのサイト紹介(随時更新)

「家賃支援給付金」(2020年8月12日更新)《経済産業省》
  中小規模の法人・個人事業者向け】
 新型コロナウイルス感染症拡大により影響を受ける事業者の地代・家賃の負担を軽減することを目的とする、賃借人である事業者に対しての給付金(給付額の上限は、法人は600万円、個人事業者は300万円)の申請は、2020年7月14日から2021年1月15日までが受付期間になります。
 「いずれか1か月の売上が前年の同じ月と比較して50%以上減っている」もしくは「連続する3か月の売上の合計が前年の同じ期間の売上の合計と比較して30%以上減っている」などの要件はありますが、可能性のある事業者の方は、ぜひご活用ください。

「持続化給付金」《経済産業省》
  中小規模の法人・個人事業者向け】
 新型コロナウイルス感染症拡大により影響を受ける事業者に対して、事業全般に広く使える給付金(給付額の上限は、法人は200万円、個人事業者は100万円)の申請受付が開始されました。
 「ひと月の売上が、前年同月で50%以上減少している」という要件はありますが、幅広く使える「給付金」(「貸付金」ではありません)で、申請手続自体もそれほど難しくありませんので、可能性のある事業者の方は、ぜひご活用ください。

「雇用調整助成金の特例措置」(2020年8月11日更新済み)《厚生労働省》
  【売上などが前年同月比5%以上減少している事業者向け】
  • 4月1日から9月30日までの期間は、感染拡大防止のため、全国で、日額上限額15,000円などの様々な特例措置が実施されています

  人事・労務関係者向け】
  • 風邪の症状がある方、感染が疑われる方への対応
  • 感染防止に向けた柔軟な働き方(テレワーク、時差通勤)
  • 雇用調整助成金の特例措置
  • 労働者を休ませる場合の措置(休業手当、特別休暇など)
  • 労働時間(変形労働時間制、36協定の特別条項など)
  • 安全衛生
  • 労災補償
  • 軽症者等の宿泊療養を実施する宿泊施設等の運営者の方向け
  • 労働者派遣
  • その他(職場での嫌がらせ、採用内定取消し、解雇・雇止めなど)

  • 家賃支援給付金
  • 持続化給付金
  • 支援策パンフレット
  • 新型コロナ対策サポートナビ
  • 資金繰り支援一覧
  • 在宅勤務の推進
  • テレワーク導入に関する費用
  • 新型コロナウイルス対策補助事業
  • 中小企業・小規模企業の相談窓口
  • 現地進出企業・現地情報及び相談窓口(ジェトロ)
  • 貿易保険による対応策(NEXI)
  • 輸出入手続きの緩和等
  • 下請等中小企業への配慮要請
  • 個人事業主・フリーランス支援
  • 雇用等への配慮要請
  • EdTech事業者の取組支援
  • 支援情報の検索サービス
  • 企業によるテレワーク支援
  • 国際的な人の往来再開の段階的措置
  • 株主総会(オンラインでの開催等)、企業決算・監査等の対応
  • 遠隔健康相談事業の開始
  • 各自治体の支援策
  • 国有財産の貸付料等に係る債権の履行期限延長
  • 新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方及びその疑いがある方の処置、搬送、葬儀、火葬等に関するガイドライン
  • 契約における押印の見直し

  • 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、既往債務の支払いに悩む中小企業のために、協議会が中小企業に代わり、一括して元金返済猶予の要請を実施
  • 新型コロナウイルス感染症特例リスケジュール計画において、中小企業が金融機関と作成する1年間の資金繰り計画策定を、協議会が支援
  • 新型コロナウイルス感染症特例リスケジュール計画中の資金繰りと事業面のサポート
  • 新型コロナウイルス感染症特例リスケジュール計画期間終了後の本格的再生の実施

  • 定時株主総会の開催時期
  • 株主総会運営に係るQ&A
  • オンライン等での株主総会の開催
  • 有価証券報告書等の提出期限について、一律に9月末まで延長

《兵庫県内の事業者向け》新型コロナウイルス対応のためのサイト紹介(随時更新)

兵庫県労働局による労働問題(労働条件、安全衛生、雇用の維持・確保に関する助成金等)に関する特別相談窓口

  • 新型コロナウイルス感染症対応資金、新型コロナウイルス感染症保証料応援貸付【セーフティネット保証(4号、5号)、危機関連保証の認定を取得した中小企業者、個人事業主】
  • 新型コロナウイルス対策貸付【最近1か月間の売上高が前年同期に比べて(一般保証、セーフティネット保証を利用する場合。セーフティネット保証4号を利用する場合は20%)5%以上減少している方】
  • 新型コロナウイルス危機対応貸付【最近1か月間の売上高が前年同期に比べて15%以上減少している方(危機関連保証の認定取得が要件)】
  • 借換等貸付(新型コロナウイルス対策)【県制度融資等の借入残高があり、既往債務の負担軽減が必要な方(新型コロナウイルス対策貸付と同様、最近1か月間の売上高が前年同期に比べて5%以上減少していることが必要)】
  • 経営活性化資金(新型コロナウイルス対策)【速やかな資金調達が必要な方(新型コロナウイルス対策貸付と同様、最近1か月間の売上高が前年同期に比べて5%以上減少していることが必要)】

尼崎市の事業者や労働者向けに、以下の情報がまとめてあります。
 @新型コロナウイルスに関する相談窓口(事業者向け)
 Aテナント事業者向け「緊急つなぎ資金」貸付制度
 B新型コロナウイルスに関する融資支援(事業者向け)
 C新型コロナウイルスに関する助成金等その他の支援情報(事業者向け)
 D小規模事業者持続化補助金(一般型、コロナ特別対応型)
 E労働者向け相談窓口について
 F助成金等その他支援

新型コロナウイルスの影響を受ける恐れがある神戸市内の中小企業・小規模事業者に役立つ情報(資金繰り、補助金・給付金・支援金、雇用を守る(休業手当等)、相談窓口、税・使用料の支援、販路開拓・公募事業)がまとめられています。

新型コロナウイルス感染症で影響を受ける西宮市の事業者・従業員の皆様にご活用いただける支援策・相談窓口の情報がまとめられています。



2020年08月08日

《宅建試験対策23》配偶者の居住の権利に関する民法改正

≪改正されたポイント≫
a)被相続人の配偶者が、被相続人の遺産である建物に相続開始の時に住んでいた場合、被相続人が亡くなった後も、引き続き、その建物に居住したいというケースがよくあります。
 そのための方法として、例えば、配偶者がこの建物の「所有権」を遺産分割で取得して住み続けることはもちろんできますが、居住建物の評価額が高額となることで、配偶者がその他の遺産(預貯金など)をあまり取得できない可能性が出てきます。
 そこで、改正民法では、居住建物の「所有権」ではなく、無償での「使用収益権」のみを配偶者に取得させ(所有権そのものよりも評価額は下がります。)、他方で、「使用収益できないという負担の付いた所有権」を配偶者以外の者に取得させるという仕組みを新たに作りました。これが「配偶者居住権」です。配偶者としては、建物に住み続けられればそれでよく、「所有権」までは必要がないわけですから、居住建物の「使用収益権」のみを取得して住み続け、その分、預貯金などのその他の遺産を多めに取得することができます。
 配偶者居住権は、何もせずに当然に成立するものではなく、遺産分割、遺贈、死因贈与によってはじめて成立し、居住していた建物の「全部」について、原則として、配偶者が死ぬまでの間(終身)、無償で使用や収益できる権利です。「収益」をする権利も含まれますので、配偶者は、建物を賃貸に出すことも可能です。
 また、配偶者居住権は、「登記」(建物の「引渡し」ではダメです。)をすることによって、居住建物の物権を取得した第三者にも対抗できます。この登記の登記義務者は、建物の所有者ですので、民法の規定で、居住建物の所有者は、配偶者居住権を取得した配偶者に対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負うとされています。

b)被相続人の配偶者は、被相続人の遺産である建物に相続開始の時に無償で居住していた場合に、一定期間、居住建物を無償で使用する権利を与えられます。これが「配偶者短期居住権」と言われるもので、改正民法によって新設された規定です。
 一定期間というのは、@居住建物について配偶者を含む共同相続人間で遺産の分割をすべき場合は、「遺産の分割により居住建物の帰属が確定した日」または「相続開始の時から6ヶ月を経過する日」のいずれか遅い日までで、A遺言がある場合など、@以外の場合は、居住建物の取得者が、配偶者短期居住権の消滅の申入れをした日から6ヶ月を経過する日までとなっています。
 配偶者短期居住権は、要件を充たせば、当然に発生する権利であり、遺産分割・遺贈・死因贈与によってはじめて成立することになる配偶者居住権とは大きく異なるものです。
 また、配偶者短期居住権は、一定期間、建物を無償で「使用」する権利ですので、「収益」は認められていませんし、登記をすることもできません。


配偶者居住権・表1.PNG