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2019年11月19日

令和元年度 賃貸不動産経営管理士試験が終わりました

 2019年11月17日に、令和元年度の賃貸不動産経営管理士試験が行われ、私も、業務上の必要性半分、趣味半分で受験してきました。
 試験内容としては、民法の賃貸借、賃貸住宅管理業者登録制度を中心として、設備、税務なども範囲に含まれますが、令和元年度の問題を解いてみた感想を列挙すると…
@問題文自体は短くて単純な文章が多いが、逆に言えば、漠然としているので正誤判断が難しいものがある
Aいわゆる個数問題が多い
B民法の賃貸借については、思いのほか細かい知識が問われている(^_^;)
C設備は、マンション管理士試験などと比べると非常に簡単
D簡単な問題と難しい問題の開きが大きい
といった感じで、やはり宅建試験などと比べると、試験として未成熟な感じがしました。
 この試験には公式テキストがあり、そこから出題されるのですが、この公式テキストは辞書みたいなもので、とても通読できる代物ではありません。したがって、受験生は、市販のテキストや問題集を使うことになりますが、いろいろな市販のテキストに目を通した感じでは、内容的に明らかな間違い(誤記・誤植ではない中身に関する間違い)があるものが非常に多く(例えば、「遺言の検認をしないと遺言は無効になる」とか、サブリース方式の転貸借契約において賃貸不動産経営管理士が転借人に重要事項説明などをしなければならない、とか…)、公式テキストにあまり記載がないものを載せているテキストもあるなど、テキストを作成する側も未成熟な印象です。
 ちなみに、私の自己採点の結果は40問中37点(4問免除含む)でした(^_^)v
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posted by 上田孝治 at 17:38 | TrackBack(0) | 不動産・宅建コラム

最高裁による養育費算出基準の改定により、養育費が増額か(2019年11月12日のニュース)

 「時事ドットコムニュース」によれば、裁判所で使われている養育費の算出基準について、最高裁が社会情勢の変化を反映させた改定版を策定し、12月23日に詳細を公表する、とのことです。

 現在は、離婚する前なら婚姻費用、離婚した後なら養育費の具体的な金額を算定するに際して、2003年に裁判官により公表された算出基準が裁判所でも一般的に使われており、インターネットで検索するとよく出てくる、「義務者の年収」を縦軸に、「権利者の年収」を横軸にしたグラフが有名です。細かい話をすれば、このグラフは、少し難しめの婚姻費用や養育費の算定式(数式)に基づいて作成されており、その数式に個別ケースでの収入などを当てはめていくことで細かい金額が出てくる仕組みで、これを分かりやすく分布図的にしたものがこのグラフになります。したがって、裁判所で養育費などの金額に関する争いがある場合、最終的には、細かい算定式に基づいた計算をして、裁判官が結論を出していきます。
 この算定式が、今後どのように変更されるのかは12月の詳細な公表までは分かりませんが、基本的には増額の方向だろうということで、増額の幅が大きければ、今後、養育費の増額請求を求める調停が多く起こされる可能性があります(家庭裁判所の関係者の皆様は大変だと思います。)。
 この婚姻費用や養育費に関する紛争は、お金を受け取る側(おおむね妻側)は「低すぎる」と言い、逆に支払う側(おおむね夫側)は「高すぎる」と言って、立場による感じ方の違いが鮮明にあらわれる紛争です。子育てに一定のお金がかかるのは当然ですので、実際に子どもの面倒を見ている側からすると高い金額に超したことはないわけですが、支払う側からすると、自分の手元に子どもがおらず、面会交流も満足にされないことが多く、親としての実感を持ちにくい中で、別れた妻(あるいは夫)に対してただお金を送金することの虚しさが「高すぎる」感覚を生む一つの要因ですし、最終的には養育費の不払い問題にまでつながるわけです。
 思えば、平成の前半ころまでは、離婚した場合、子どもは妻が引き取るのが夫婦共に当然で、多くの夫もそれを望み、離婚後は子どもとあまり関わらないという夫が多かったように思いますが、平成の後半ころから、離婚に際して、夫側が親権や監護権を求めるケースが非常に増えてきている印象です。ところが、結局のところ、(いいか悪いかは別として)妻側に親権や監護権がわたることが現在でも多く、夫側からすると、無念にも子どもと離れてしまうことになったにも関わらず、養育費だけ支払えというのはより一層納得がいかないということになっているのが最近の傾向です。  
 私の個人的な見解としては、別居あるいは離婚により夫婦という「横の関係」が終わったとしても、親子という「縦の関係」が継続する「仕組み作り」こそが、支払う側の「高すぎる」感覚を緩和し、ひいては、養育費の不払い問題の解消にもつながると思います。もちろん、現在でも、養育費というのは、子どもに対して支払われているという「建前」ではありますが、実際に支払った養育費がどのように子どものために使われているかは支払った側には全く分からないわけです。例えば、養育費を受け取った妻(あるいは夫)が、それを子どものために使わずに、新しくできた恋人とのデート費用に使うことも事実上妨げられません。つまり、養育費は、本来、親と子という「縦の関係」のお金であるにもかかわらず、実際上は、別れた夫婦という「横の関係」におけるお金の問題になっています。
 ですので、養育費の本来の目的である親子という「縦の関係」を離婚後も継続するための「仕組み」として、離婚後の共同親権はもちろんですが、離婚後に子どものための別会計を設け、そこに、両親が共に、それぞれの収入に見合った養育費を入れ、その会計は両親が共同管理するのがいいと思います。会計の共同管理をする以上、子どもに対してどのくらいのお金をかけてどういう教育をするかということを協議して決める必要がありますし、自分が支払った養育費が具体的にどのように利用されているかがお互いにクリアになりますので、支払うことへの納得感が出てきます。
 こう言うと、離婚した夫(あるいは妻)と、子どものこととはいえ話などしたくないという人も多いと思いますが、「子どもの教育に関して口出しや干渉はさせたくないけれど、養育費だけは支払え」というのは筋が違うように思います。もちろん、離婚に至った理由や経緯が、元夫(あるいは元妻)の暴力や虐待のような場合は、そもそもそのような親に親権者の資格はありませんので、子どもの教育に口出しをする資格もなく、養育費だけ支払わせればいいのです。
 このように、養育費の支払いというのは、具体的に何に使うかについての意見をあらかじめ反映させる機会が与えられ、かつ、実際の使途を明確にしてもらうべき性質のお金であり、そういう点では税金の支払いに似ているように思います。
posted by 上田孝治 at 16:48 | TrackBack(0) | 世の中のニュースを徹底分析